お盆の真っ只中8月15日。終戦紀念日でもある。
わたしはいつもの水曜日と同じように仕事に出かけた。
店は休業しているが、それとは別に仕事があるので、そのために実家の方へ行く。
お盆に亡き人たちが帰ってくるというが、
ほんとのところはどうだかわからない。宗旨の上でもお迎えの習わしはない。
でも、ひとり静かに実家の仏壇の前に座ると、
ざわざわと亡き家族たちが、あつまるような不思議な錯覚に陥る。
あんなに賑やかだったのに、だれ一人居なくなってしまった。
あれから何年経つんだろう?
ついこのあいだのことのようにも思えるけど。
月日は淡々と過ぎていく。だけど家族の思い出はけっして消えることはない。
言い争いもたくさんあったけど、わいわいがやがやが、今ではとても懐かしい。
そして、今でも話したいことは、いっぱいある。
目には見えないが、もしかしたら、亡き家族たちはお盆の間、
奧のへやにあつまっているのかもしれないな。
この家の行く末を案じて…。
夕方の空、少し秋の気配を感じた。