「『王将の野菜炒め』みたいなん作ってーなー」
（王将とは「餃子の王将」のことである）
という要望が出た。
プロにはプロのかくし味っていうのがあって、他にも何かと秘策もあって（？）
真似はできないと言ったが、
「なんやらジャンとか買ってきたらそれなりに何とかなるって」
みたいなことを言っている。
「なんやらジャン？ 何それ…豆板醤？甜麺醤？コチュジャン？」
「わからん」
そんな簡単に王将の味ができるわけないやん。
まあ野菜は冷蔵庫にあるし、野菜炒めは作れる。
失敗したところで所詮野菜炒めや、そんなに痛手は負わないし。
なんやらジャンを買物のついでにさがした。
今までいろんなジャンを買っては、使い切れずに捨てることになって後悔したことがある。
だから気乗りがしない。
ＸＯ醤か…これは買ったことがないけど、高いなぁ。炒めものって書いてあるけど…。
いつもなら絶対買わないが、５００円のサービス券があったので思いきって買ってしまった。
「そんなん買（こ）うてー、無理しんでもいいのにー」長男が今度は調子のいいことをいう。
「作ってみたら？」というと、「それじゃあ」とばかりに作り出した。
何度味見をしても近づかないようで「やっぱりＸＯ醤はちょっと違うかもな」今さら…。
結果、出来上がった野菜炒めのお皿を何やら不審なものを見るような目で弟たちが見ている。
でも文句は言えない。お母さんが買ってきた高いＸＯ醤を使って、お兄ちゃんが作ってくれた貴重な野菜炒めである。
味の方は今回に関してはどうでもいいということで。（あんまり美味しくない。王将とは似ても似つかん。）
しかしながら、あのＸＯ醤、きっと使えるに違いない。
何かいい使い方がないか、調べなくては…。もったいなすぎる。
