朝からご近所のおじいさん、おぼつかない足もとで手押し車を押してやってきた。
店の前でバタン!と転倒。歩いている人たちといっしょに起こしてあげて「どこいかはんの?」と聞いたら「おたくとこ」って。おいおい、大丈夫か?
ちょっと前までは自転車でスイスイと走ってられたが、近頃めっきり足腰がきかなくなって手押し車も危なっかしい。まあ、このあたりそのような方がたくさんいらっしゃる。道幅がとても狭いから、車が数珠つなぎになることもある。
何かと思えば、たいていはデイサービスの送迎車か手押し車が邪魔をしている。
(自分はそうなりたくないものだとおもう。わからんけど…)
噛み合わない会話もありつつ、無事にお買い物して頂いて、
「帰れます?」って夫が聞いたところ、「車で送ってもらったら助かるんやけど」って。おいおい…。
「押し車は二つにたためるし」と言われ、そのお客さまを夫が送り届けることになった。
あとで聞いたら、夫はその人の家を違う場所と勘違いしていたようで、「はい着きましたよ」と言ったらおこられたらしい。「ここちゃうで」
子どもの頃、おじいちゃんは「お客さまは神さまや」と口癖のように言ってた。
最近になってそれがよくわかるから、私もお客さんは大事にしなくちゃと思う。
いろんな人がいるけど、お客さまには違いないわけで。
(とは言っても、嫌さが思わず顔に出てしまうこともあるけどね)
それにしても、めっきり近頃、アルバイトに出ているほうがずっと手堅いと思える個人商店の経営。
(アルバイトと言っても雇ってくれるところがあればの話だが)
昔と違って大儲けなどほど遠い。創業何年とかに胡座をかいていられる時代は過ぎた。かといって元手がないから設備投資や新規事業は夢のまた夢。
こうしてどんどん小さい店はなくなっていくのかな…と。他人事のように思ったりする。