あれこれ雑記帳

見たことや感じたことをとりとめもなくその日の気分で書きます。

ある夏の長い一日

ある夏の終わりのこと。一人の男性が忽然とこの世から姿を消した。
わたしはあの日のことを忘れない。一人一人に宛名を書いた手紙を遺し、仕事の内容をノートにこまかく記し、自分亡きあとの引き継ぎについても書いてあった。あまりにも突然のことでみんなが混乱した。
結局、彼の描いた彼不在の未来図は叶えられなかったが、今わたしがこうして家業をつないでいるのは彼のことを思うからでもある。生き様はどうであれ一人の人間の存在は、決してなかったことなんかには出来ないのだ。また今年も命日が来て思い出してあげること、それも大切なことだと思う。