家の前にある柿の木、とうとう全て鳥に食べ尽くされたようだ。
この木はいつからそこに植わっていたのか、ちょっと思い出せない不思議な木で
去年の秋になって一気にたくさんの実を付けた。
見たところ美味しそうだったが、一向に鳥が来る気配もなく、
夫がひそかに吊し柿をつくったりしていた。
その吊し柿だが、結局は黒い塊と化して(小さくなることを計算に入れていなかったらしい)食べる気もおこらない代物となったので、悲しいかな、そのほとんどは燃えるゴミになった(T_T)(少し食べたが渋かったし…)
そんな渋柿にも最近になって鳥がポツリポツリと来るようになった。
きっと甘くなったんだろう。この1週間くらいは大賑わいでメジロやヒヨドリが入れ替り立ち替り啄んでいた。おかげで私も鳥の観察ができた。
自然というのはよくできているなあと思った。結局きれいさっぱり生き物に施された。あの鈴なりの実はムダにはならなかったんだ。
車のボンネットを開けた長男が何やら言っている。
「だれや?こんなとこに柿置いたのは?」
見てみると、エンジンルームの隅に柿の実がころがっていた。
きっとイタチかタヌキかが、あたたかいところで柿を食べようと思ったのだろう。
途中で邪魔が入ったか、それとも急にエンジンがかかったか?
今さら思い出しても残念ながら、もう柿の実はなくなったよ。