あれこれ雑記帳

見たことや感じたことをとりとめもなくその日の気分で書きます。

ほんたうの幸い

銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)に出てくる言葉に次のようなのがある。

「なにがしあはせかわからないのです。
 ほんたうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら
 峠の上り下りもみんなほんたうの幸福に近づく一あしづつですから。」

この言葉は、私の心に今も深く残っている。
本当の幸せを求めて歩きはじめたはずなのに、現実のくらしはつらいことが多く
小さい子どもたちを抱えて行く先が不安になることがとても多かった。
そんな時、いつもこれは「峠の上り下りだから…」と自分に言い聞かせてきた。

でもこの頃ふとおもう。
本当の幸せはどこにあるんだろうって。
峠の上り下りがつづくばかりで、自分のいる位置はちっとも変わっていないんじゃないかって。

「ギリギリの所でいつも救われてきた」と夫は言う。
でもね、それは救ってくれた人がいたから。努力が報われたとかじゃなくて。
そこに至るまでどれほどつらい思いをしてきたか、きっと夫にはわからないだろう。
過ぎたことを今更言っても仕方ないんだけどね。
結果として子ども達も無事に大きくなってくれたわけで。
私もぶっ壊れないでこられたわけで。
実は、それが幸せなのか?

だけど、
「苦労をしても笑い話に時が変える」

なんてことは、少なくとも私にはないと思っている。
笑い話になんてできるはずがないよ。
許せないものはいつまで経っても許せなかったりする。
心の許容量が小さい私。