夕方、洗濯物を取り入れながらふと西の方の空を見たら
うっすらピンクに染まりかけていた。
今日の夕焼けもきれいやろうな、と思いつつご飯の仕度をする。
そんな時、頭の中にメロディが流れた。
「遠き山に日は落ちて 星は空を散りばめぬ」
そうそうあの歌、好きやったなあ。でも、最近はとんと耳にすることもなくなった。
ドヴォルザークの『新世界より』。
もとのメロディーも胸に染みるが、キャンプファイヤーなどで歌う「遠き山に…」は
また格別の味わいがある。
私は、もともとアウトドア派ではないけれど、数年前に小学生を対象にした少年補導のキャンプの手伝いに参加したことがある。
あの時、「それでは歌の練習をしましょう」とベテランの男性が音頭をとって先の歌を歌い出した。
あぁ、その歌ならよく知っています。
と他のお母さんたちと一緒に歌おうとしたのだが、どうもメロディがおかしい。
アレンジが甚だしいのか、あのオッチャンが音痴なのか…。
そんな歌じゃなかったはずと、とても残念に思った記憶がある。
「あのメロディちょっとちがうよな…」と帰ってからも息子たちに同意を求めてしまった。
あのオッチャンと一緒に毎年参加していた息子たち、まさか正調を知らないってことはなかろうな。
いずれにしても、あの歌は夏の日暮れにぴったりの歌だと思う。
そして、聴くととても安らかな気持ちになれる。