古い雛人形を飾っている。
これは、いつのものかわからない。私のじゃなくて母のかもしれない。
子どもの頃から実家にあったのだが、誰が誰のために買ったという話は母から聞いていなかった。
（忘れているだけか？）
段飾りもいろいろと行方不明になっている。何処へ行った？三人官女に五人囃子よ…。
最初からいなかったのか？
数年前（たぶん母が亡くなった翌年くらい）から自宅で飾ることにした。
スペースに限りがあるので、男びな女びなとぼんぼりとお膳などの道具類…。
このぼんぼりはかなり傷んでいたので、布を補強して張りなおした。
修理に出したらきっと大変なことになるだろうし、当然自分でね。
うちには女の子がいないので新しいものはない。
それだけに古い人形に愛着がある。古いものは顔とかも今のものとはだいぶ違うようだ。
小さい顔に切れ長の目。
鼻筋の通った男前のお内裏さま、残念ながら鼻のてっぺんに傷がある。
お姫さまに一発ぶたれたか…？ なーんて。（沢口靖子の［タンスにゴン］のＣＭ思い出した）
二人の並び方は古式にならう。頑固だがゆずれないものがある。
ホントはめんどうだなと思っていたけど、出してよかったわ。
私ひとりで、いつまでも眺めている。
